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昭和40年代の中学生 第20話 [青春小説]

第20話

☆ハルミのおせっかい

ハルミの呼び出しは、昼休みの自転車置き場だ。
午前中の授業は、全く頭に入らなかった。
とうとう、ハルミに告白される。
嬉しいな。
何て、思いつつ昼休みに大急ぎで弁当を食べてウキウキしながら自転車置き場へ向かった。

ハルミは、既に来ていた。
もう一人大柄な女が居る。
黒い顔で、余り美人で無い。
嫌な予感がした。

「ジョーケン、遅い」
「すまん、すまん」
「友達を紹介するね。関口真理子さんです。私と同じ卓球部なの」
「フウーン、始めまして」
「真理子がね、ジョーケンが好きなんだって」
「エッ」
「付き合ってあげてよ」
困った事に成った。
何で、こんな黒い女と付き合わなければ成らないのか。
どうやって、断るか。
「どうせ、ジョーケンは付き合っている娘は居ないでしょ」
「余計なお世話だ。一杯付き合っているよ」
と言ってやった。
少し無理が有ったけど、言ってしまった。
真理子は下を向いたままだ。
少し気が滅入って来たが、真理子に罪は無い。
「付き合いたいなら、自分で言ってこいや」
思わず、言ってしまった。
「じゃあ、今度、言います」
真理子は、きっぱりと言って帰って行った。

「ジョーケン、きついな。もっと優しい男だと思ってたのに」
「俺は、気が弱くて優しいよ」
「だったら、付き合ってあげれば良いのに」
「何で、俺にも好きな娘は居るよ」
「ヘエーッ、居るの?誰、誰」
「内緒だ」
よっぽど、お前だと言ってやろうと思ったが、止めた。
つけ上がると困るから・・・・・・
「彼女は、言って来るかな」
「多分、もう言って来ないと思う」
「そうだよな」
そんな話で、終わってしまった。
期待した、俺が馬鹿だった。
チクショーツ!

続く


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