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昭和40年代の中学生 第22話 [青春小説]

第22話

☆薄情な女ハルミ

当時の女子生徒で、名前がカタカナはハルミだけだった。
珍しい事である。
詳しい事は知らないが、何故か聞いてはいけない様な気がしていた。
理由は、判らないが。
ハルミは小柄で、おっぱいは小さかった。
いずれは、ジョーケンの手で大きくするのが夢だ。
このままでは、夢のまま終わってしまいそうだ。

映画を見た帰りに、アイスを食べようかと言ったけど断られてしまった。
みこの境遇で、胸が一杯で何も食べたくないと言っていた。
ジョーケンは、殆ど映画の記憶が無い。
ずっとハルミを意識していた。
ハルミは、ジョーケンを全く意識していなかった。
何て、薄情な女なんだ。
手を握る位はさせて欲しかった。
帰り道は、暗かったが言い寄る隙も無かった。
寂しい事だ。
ジョーケンは、風呂に入ってひたすら一人エッチに励むしか無かった。
心は、何処に。
ハルミは、薄情な女だ。
二度と誘わない。

月曜に学校へ行くと、清隆が
「ハルミとデートしたんだって、学校で噂に成ってる」
と、言って来た。
隣の席の、則子は
「とうとう彼女が出来たのね」
何て、笑いながら言っている。
ジョーケンは、噂に成るような事は何も無いのにと思いながらも、気持ちを良くしていた。
ハルミは、俺の女なんだ。
勘違いも甚だしいのだか。
昼休みには、ハルミが文句を言いに来た。
何も無いのに、変な噂が流れてるだって。
一緒に映画を見に行ったんだから、噂通りに成れば良いのにと思ったが、ジョーケンは何も言わない。
生返事の繰り返しだ。
煮え切れない男だ。
自己嫌悪に陥りそうだ。
今、告白するチャンスだと思いながらも、何も言えなかった。
家に帰って、一人でクヨクヨ考えたが、付き合うのは難しいなと結論を出した。
はかない恋も、一瞬にして終わった。
次の日からは、気が楽になって他の女生徒を見回すジョーケンが居た。
ハルミは、少し広めのおでこに前髪を垂らして・・・・・・・
「ヤッパリ、可愛い」

続く


タグ:薄情な女
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