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昭和40年代の中学生 第12話 [青春小説]

第12話

☆則子は沖田が・・・・

ジョーケンには、男の友達も居る。
同じ野球部の沖田君だ。
同学年では、三遊間を守っている。
二人とも、ピッチャーもする。
小学校は違ったが、中学に成って一番気の合う奴だ。

ジョーケンより背は低いが、色黒でスポーツマンだ。
頭も良く、女生徒にも人気が有る。
野球の腕前は、ジョーケンと同じ位に上手いのである。
二人で協力すれば、市の大会など優勝も簡単だと何時も語り合っていた。

中学校では、弁当を持参して牛乳だけは給食当番が配る事に成っている。
沖田君の弁当は、物凄く豪華なのだ。
何時も、羨ましく思っている。
玉子焼きでも、綺麗にだし巻き風に成っている。
その他のおかずも、肉あり魚あり物凄く豪華なのだ。
ジョーケンの弁当は、ご飯の間にのりたまを振りかけておかずが無くても食べられる様に成っている。
ジョーケンは、せいぜい玉子焼きとウィンナーとたまに肉がある程度だ。
この頃の中学生は、一般的にはジョーケン風の弁当が当たり前だった。
沖田に、どうしてそんな豪華な弁当が持って来れるのかと聞いた。
「家は旅館をしていて、泊り客が居ると豪華なおかずをばあちゃんが入れてくれる」
羨ましい事である。
客に出す朝ごはんのおかずが、そのまま弁当のおかずに成る。
毎日、泊り客が来ると良いなぁ。

沖田は、女生徒にも人気が有り、クラスでも人気者だった。
則子は、ジョーケンと小学校は一緒だったが中学に成って沖田が好きに成ったらしい。
則子も美人ではないが、頭が良くて人気者だった。
ジョーケンは、小学校時代に則子に良く殴られた。
反撃しないジョーケンに、段々エスカレートして行って何時も平手打ちをされていた。
叩かれながら、ジョーケンは何時も嬉しかった。
MかSかは分からないが、嬉しかったのは事実だ。
中学に成って、則子に
「中学に成ってから、叩かれなくなったけど」
と聞いたら
「小学校時代とは違うの、沖田君の前ではおとなしくしないと」
なんて、平気で言っている。
「則子よ沖田に惚れたな」
何て言ったら、顔が赤くなっていた。
かくして、ジョーケンは則子には相手にされなくなったのだ。
チクショーッ!

則子は、沖田に告白したのかな。
手伝ってやるかな何て、余計な事を考えているジョーケンだった。

つづく


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