SSブログ

昭和40年代の中学生 第14話 [青春小説]

第14話

☆公式戦初ヒットは君子の前で

二死満塁、ジョーケンの公式戦初打席は、足が震えるほど緊張しているが相手のピッチャーも肩で息をしていて苦しそうだ。
2点負けていて6回の攻撃である。
6球目が投じられた。
インコースだ。
カーブかなと思ったが、踏み込んで行ったジョーケンの左肩にボールは命中した。
「イテェーッ!」
でも、嬉しかった。
デッドボールだ。
これで1点入る事に成る。
スタンドの淑子を、チラッと見て一塁へ走って行った。
淑子は、拍手をしてくれたが何と無く逆転の一発を狙っていたジョーケンは、ホッとした反面悔しくもあった。
次に沖田がピンチヒッターで登場だ。
初球を打って、ショートゴロだがショートがハンブルした。
とうとう、同点に追いついた。

ジョーケンは、セカンドの守備に付いた。
7回を終わって、7-7の同点だ。
延長戦と成った。
9回にジョーケンは、先頭打者で打席に入った。
この時、ネット裏に君子が居た。
次の試合は、君子の学校だ。
いよいよ、カッコ良い所を見せないと。
ジョーケンは、初球のストレートを思い切り振った。
打球は糸を引く様なライナーで、左中間を真っ二つだ。
ジョーケンは走った。
足も速いジョーケンは、3塁打と成った。
笑顔で君子と淑子の顔を見た。
君子は、凄いと言った様に見えた。
ジョーケンは、鼻高々である。
結局、試合は8-7でサヨナラ勝ちだった。

試合後、君子がヤッタネと笑顔を送ってくれた。
次の試合は、君子の学校が勝ては当たる事に成る。
しかし、残念ながら君子の学校は弱かった。
淑子は、何時までも拍手をしてくれた。
考えて見ると、この試合が野球人生の中で一番輝いた試合の様に思う。

帰りに沖田と、則子の事を話した。
しかし、沖田は余り乗り気でない様子である。
則子が嫌いかと聞いたら、そうじゃないけど他に付き合っている女生徒が居ると言った。
誰かと聞いたが、この日は言わなかった。
もてる男は、良いなぁ!
羨ましい。

しかし、やっぱりジョーケンは君子が気に成って離れない。
でも、気弱なジョーケンは好きだと言えない。
淑子も好きだし。
この先、どうなる。
加山雄三の、君といつまで喪を歌いながら家へ帰った。
明日も試合だ。

つづく


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学校

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。