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昭和40年代の中学生 第4話 [青春小説]

第4話

水着の女王、淑子

純真なジョーケンの背中には、未だ美智子のおっぱいの感触が残っていた。
毎晩、懸命に一人エッチで頑張っていた。

5月に成ると、中学の生活にも慣れて来た。
周りを見回す余裕も出て来た。
悪友も、次第に増えて来た。

そんな時、水泳部のロッパ(古川と言う姓だが)が、今日からプールに入る。
可愛い女子部員の水着姿が、ただで見れると股間を押さえながら言って来た。
未だ、入部を受け付けていると言っている。
1級上の女子部員で、物凄く可愛い娘が居ると言っている。
早く、水着姿か見たい。
2年生の、淑子さんと分かった。
ロッパに、1日体験入部が可能か聞いて貰う事とした。

この頃の中学高では、プールが無かった。
近くの高校の屋外プールを借りて、練習をしていた。
5月は、まだまだ寒い。
普通のプールで、温水プールでは無い。
悲劇は、ここから起こってしまった。

1週間後の土曜日に、水泳部の練習に参加する事が出来た。
野球部には、家で急用が出来たので練習を休ませて頂く事として許可が出た。
楽しい、練習に成りそうだ。

高校のプールに集合すると、プールでは高校の水球部が練習をしていた。
水球が出来るプールは、水深が2メートル20センチ以上の深さがある。
これも、悲劇の立役者と成った。

淑子は、あごの下にほくろが有って、当時の森山加代子に似ていた。
ジンジロゲェーのチンチロゲェー♪♪シラミヤノミヤ、チョイナダジィヤ♪♪
と、歌いながら淑子を観察した。
色が白くて足が長い。
顔は小さく、目は大きい。
水泳の腕前も、県下では何時も優勝しているとの事だ。
水泳部の顧問は、国体にも出ている有名な選手である。
準備体操や、守らなければいけない事や、危険な事はしない事と訓示があり練習が始まった。
新入部員を集めて、顧問の先生が色々指導をしてくれた。
私とロッパの他、数名でプールの周りを20週のランニングだ。
これは、大得意で自信満々で淑子の前を大げさに走った。
少しは、気を引いた様にも思う。

1時間もすると、体も火照って来てそろそろ水に入りたいと思った時。
ビート板から練習が始まった。
私は、水泳は得意だったので小さな板切れをビート板として得意げにバタ足で泳いでいた。
淑子とすれ違う時は、意識しない様に意識して交差していた。
5往復ほどした時、突然足が痙攣だ。
「痛テェーッ!」と叫んだが、泳ぐ事が出来ない。
必死で、足を掴んで揉んだが水深が深い。
あえなく、ジョーケンはもがきながらプールの底へ沈んで行った。
足が痛いのと、苦しいのと、沢山の水を飲んで死んでしまうと思った時、女神を見た。
何と、淑子がもぐって来た。
しがみつきたい。
だけど、しがみつくと淑子も溺れる。
何と冷静なジョーケンなのか、先生が来ていたら間違い無くしがみついていた。

淑子は、後ろに廻ってジョーケンのあごを抱えて浮上していた。
そこに先生が来て、助けられたのである。
何と情け無い姿。
逆ならまだしも、よりによって淑子に助けられるとは・・・・・・
恥ずかしくて、顔も上げられなかった。
情け無いジョーケンだった。

でも、淑子にしがみつきたかった。
いや、抱きつきたかった。
俺は、やっぱり異常なのかな。
学校で時々顔を合わすと、ニコッと笑ってくれるが・・・・・・

この事件が学校に広まり、野球部の先輩にはこっぴどく怒られた。
当時の野球部は、肩を冷やすと良くないと言って水泳はご法度だった。
たった1日で、ジョーケンの水泳部は終わってしまった。
淑子の水着姿が、脳裏に焼きついた。

つづく
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